渓流釣りと切っては切れない縁の動物、クマ。
北海道はヒグマ、本州はツキノワグマと種類こそ違いますが、クマはクマ。
できれば遭遇したくないですよね。
敵を知り己を知れば、百戦危うからず。
戦うわけではないですが、渓流釣りをする人は、入渓エリアにクマが生息している場合は事前に生態を把握しておくと少しは安心かと思います。
近隣の図書館でクマに関する本を読み漁ったので、ブックレビューとしてまとめます。
少しでも、クマと人間の不幸な事故が減りますように。
渓流釣りでクマに遭わないために読む本
熊が人を襲うとき(2017年,つり人社,米田一彦)
ツキノワグマによる事故事例集。
クマの生態や習性、食性や行動範囲など、実際の遭遇事例をもとに体系的に理解を深めることができます。
渓流釣りを嗜む人は、一読の価値ありです。
となりのツキノワグマ(2010年,新樹社,宮崎学)
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著者は動物カメラマンのため、写真集寄りの内容でとっつきやすいです。
民家の近くで活動するツキノワグマについて、ルポタージュ形式で語られています。
写真でクマが好む木の実、季節ごとの糞の特徴、熊棚などを知ることができます。
「クマと遭遇しないためにどうするか」「遭遇した時にどうするか」というよりも、身近なクマの痕跡を知るうえで役立つ一冊でした。
クマの生態を体系的に知るために読む本
ツキノワグマ:すぐそこにいる生物学(2017年,東京大学出版会,山崎晃司)
日本におけるツキノワグマの生態について、学術的・体系的にまとめられています。流石は大学の出版会発行。
広く多方面の観点からクマについての理解を深めるうえでは良書です。
が、釣り人がクマの知識を得るにあたっては話題が広すぎるかも?興味がある章をピックアップして読むのがオススメです。
ツキノワグマ-クマと森の生物学(2009年,東海大学出版会,大井徹)
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網羅的で学術的な内容ですが、初心者にとっては読みにくいお堅い内容です。
内容はかなり濃く、アメリカクロクマとの比較によるツキノワグマの生態推測や、クマ自体の未だ解き明かされていない生態の不思議さがよくわかります。
クマと遭遇したら…をイメージするために読む本
クマにあったらどうするか(2002年,木楽社,姉崎等)
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アイヌのヒグマ猟師さんへのインタビューまとめ。
ヒグマと対峙している人ならではのコメントが興味深いです。
他の学術的な本を読んだ後に読むと、猟師さんの経験談と学術的に解明されている生態がリンクするので面白いです。
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人間はクマに出会いたいわけではありませんが、クマも人間に出会いたいわけではありません。
不幸な出会いを招かないために、クマ自体の生態をよく知ったうえで入渓したいですね。
以上、「クマを知るためのブックレビュー|安全な渓流釣りのために」でした!