2019年はメッキの当たり年!ということで、メッキ釣り初心者が秋シーズンに100匹以上釣って色々感じたことをまとめてみます。
ルアーで釣れるメッキは3タイプに分けられる
メッキ釣りにのめり込む前は、「とりあえずルアーを投げてそこにメッキいれば釣れる」と思っていましたが、100匹以上釣ってみて「これは半分正解で半分間違いでは?」と思い始めました。
ルアーで釣れるメッキには、ざっくり次の3タイプに分けられるような気がします。
フィーディングタイプ
もっとも釣りやすいのが捕食モードオンなフィーディング(摂餌行動型)タイプ。
朝夕のマヅメ時といった時間帯で判断できるタイミング、潮の干満などの潮時表で判断できるタイミング、ベイトが大量に接岸しているなどラッキーボーナス的なタイミングなど、様々な「タイミング」に左右されます。
マヅメ時(特に朝)は小魚が水面に浮きやすく、潮の干満でいつも深い場所が浅くなればメッキは絶好の捕食ポジションをとれるので、フィーディング(摂餌行動)に入りやすくなります。
このタイプのメッキを攻略するには、水面直下やストラクチャー際など、獲物を追い詰めて効率的に捕食できる位置にルアーを投入することが一番重要です。
よって、ポイント選定では後述するシャローやストラクチャー際を選ぶと入れ食いが堪能できることも。フィーディングに入っている群れを攻略することは、メッキ釣りの醍醐味ともいえます。
居着きタイプ
メッキたちも常時ギンギンにフィーディングモードに入っているわけではなく、日中や潮が動かないタイミングなどは何かしらの地形変化に付いていることが多い気がします。
具体的には、後述するテトラ際や係留船の影、ブレイクライン(カケアガリ)などです。
カンパチと同様に、メッキも何かしらの障害物や地形変化の周りにたむろする習性があるようです。マヅメ時を外したり潮の動きが緩かったりベイト不在で活性が低かったりするときは、ストラクチャー際に潜む居着きタイプにアプローチする必要があります。
非常に繊細でテクニカルな攻め方を求められたりしますが、ライトゲームの奥深さを堪能できるのは居着きタイプのメッキ攻略です。
回遊タイプ
なんともふんわりしたタイプ分けですが、フィーディングに入っているわけでもなくストラクチャー際に居ついているわけでもなく、どこか居心地の良い場所を求めてさまよう回遊タイプのメッキもいるようです。
フィーディングや居着きと違って大きな群れを形成していることは多くないようで、また群れもあっという間にどこかへ去ってしまうので単発で釣れることが多い印象です。
ま、釣れればラッキー程度というか、メッキ釣りのゲーム性の観点からはフィーディング攻略や居着き攻略と比べるとなんとも味気ない部類。個人的にはあまり変化のない大場所で回遊メッキを狙うことはありませんでした。
ポイント選定
何度も釣行しているうちに感じたのが、メッキ釣りにもっとも大切なのは釣行ポイントの選定。メッキを効率よく釣るのに適したポイントに入ることが重要です。
シャロー(漁港のスロープ含む)
シャローに入ってくる群れは大体活性が高いフィーディングタイプ。ベイトを水面に追い詰め、群れで効率よく捕食する。その中にルアーを放り込めばパカパカと釣れるというわけです。
シャローの定義は状況によりけりですが、個人的な感覚では水深40cmもあれば十分。
特に朝夕のマヅメ時や潮の干満による潮位差で、シャローにフィーディングに入る群れが多くなります。
ブレイクライン(カケアガリ)
ブレイクラインもメッキ釣りの好ポイント。ここでいうブレイクライン(カケアガリ)とは、底が丸見えなシャローと、底が見えないディープの境目の坂になっている地形を指します。
潮位が下がってシャローエリアが広がればフィーディングモードに切り替わりますし、潮位が高くてもなんとなく捕食しやすく地形変化のあるブレイクラインには居着きタイプがウロウロしていることが多いです。つまり、潮位によってメッキのタイプが変わるものの一定の群れのストックが見込めるポイントです。
テトラポットの際
テトラポットの際もメッキ釣りの好ポイント。
ベイトを障害物(テトラ)際に追い詰めた高活性なフィーディングタイプのメッキが大量に寄ることもあれば、低活性な居着きタイプのメッキにスイッチを入れて食わせることができます。
ただ、どうしても根掛かりによるルアーロストが多くなるポイントでもあるので注意が必要です。フィーディングタイプ攻略には横の動きで表層〜表層直下を得意レンジとするルアーを、居着きタイプの攻略には縦の動きでフォールアクションで食わせるメタルジグやシンペンがあれば事足ります。
係留船の影
居着きタイプのメッキ攻略には、係留船の影も好ポイント。ただ、サイズはそこまで望めず非常にスレやすいため、数を釣り上げるにはそれなりのテクニックが求められます。
個人的には、船と護岸の間にリアバランスのマイクロメタルジグを早い展開で沈ませ着底〜水面までトゥイッチで急浮上させリアクションで掛けるか、係留船の真下に小型メタルジグをバックスライドで沈めてたむろするメッキの鼻先に送り込むかの2パターンがハマる気がしています。
同じ船の下から何枚も抜き上げることは難しいため、反応がなくなったらすぐ見切りをつけて別の船影を狙うと良いでしょう。
係留船周りを狙う場合は、ルアーを船に掛けて迷惑をかけることがないよう、細心の注意を払う必要があります。
オープンエリア(サーフや河口の本流など)
海水浴場などのサーフや河口の本流など、オープンなエリアもメッキのポイント。
回遊タイプを拾って釣ることになるのであまり効率が良い釣りは展開しにくいですが、ベイトが接岸したり群れが溜まるストラクチャーなどを見つけられれば、思いの外イイオモイができるかもしれません。が、個人的には苦手なエリアの一つでした。
エリア選定
効率よくメッキを釣るには、上述のポイント選定を踏まえて釣行エリアを選定する必要があります。
ここでいうエリアとは、「河口」や「漁港」などのフィールドの総称を指します。
大場所と小場所の違い
大場所は大規模河川や中規模以上の漁港などを指します。
たとえば大規模河川では「シャロー」と「ブレイクライン」、中規模以上の漁港では「テトラポッド」と「係留船」など複数のポイントが徒歩圏内に複合して存在するため、効率よくメッキを狙うことができます。
一方で小場所は「シャロー」のみ「係留船のみ」など単発のポイントしかないことが多く、反応がなければ粘っても良いことはあまりありません。ただ、小場所に群れが入ると爆発的なスポットになることもあるので定期的にチェックしていると宝箱になることも。
潮位差によるエリア選定
潮位により好調なエリアと不調なエリアがはっきり分かれるのがメッキ釣り。
漁港などは満潮絡みのタイミングがベイトが溜まりやすく、河川などは干潮絡みのタイミングがフィーディングしやすいため釣りやすい印象です。
降雨によるエリア選定
降雨はメッキの活性を上げることもあれば、一方で下げることもあります。
河川など汽水域を好むメッキですが、少々の雨では濁りが入って活性が上がることも。雨で濁ったから釣れない、とは一概には言い切れません。一方で土砂降りによる激濁り(カフェオレ色など)は絶望的。河川エリアは捨て、漁港など降雨の影響を受けにくいエリアを選ぶと良いでしょう。
メッキ釣りのシーズンと攻略法
季節の移り変わりとともに、メッキの攻略法も変わります。
ハイシーズンの攻略法
9月から10月にかけては横の動きに反応がよく、積極的にベイトを追い回すメッキ釣りのハイシーズン。
水面や水面直下のレンジを通すルアーで早いテンポの釣りで数釣りができます。
よって、ポイントはシャローやオープンエリアが中心。フィーディングタイプや回遊タイプの連発は、メッキ釣りの醍醐味の一つでもあります。
シーズン終盤の攻略法
10月中旬頃、目安として水温が24度を切ってくると横の動きには反応が鈍くなってくる印象。
河川のシャローなどでメッキよりもシーバスの反応がよくなってくると、メッキ釣りシーズンもいよいよ終盤。
横の速い動きで食わせ切ることは難しく、一瞬のポーズやフォールなど食わせの間が重要になってきます。
傾向としてサイズは良くなってくるものの、フィーディングの時合いは短くなり数を伸ばすことは難しい時期。居着きのメッキを攻略する必要性が生じる時期です。
一方で、ベイトに付いた良型のメッキを連発できるタイミングもあるので、エリアとしてはポイント複合型の漁港が良いのかもしれません。
朝マヅメと夕マヅメ、どちらがよく釣れるか?
これはごく個人的な感覚ですが、朝マヅメよりも夕マヅメのほうが活性の高いフィーディングタイプの群れが多く、時合いが長いような。
ハイシーズンはあまり影響がないように感じますが、この傾向はシーズン終盤になれば顕著になります。日中に太陽で温くなった水で活性が高いままフィーディングに入るのかもしれません。
ルアーセレクトの重要性
メッキ釣りでポイント選定の次に大切なのが、ルアーセレクトです。
メッキを100匹以上釣ってみて、活躍したルアーインプレを別記事にまとめてみたので、興味のあるかたはどうぞ。
シャローでは風波の有無に応じたレンジを泳ぐルアーを
シャローのメッキ釣りにもってこいなのが、風波がなく鏡や絹布のようなたおやかな水面。
水面へのアクションがよく目立つので、ペンシルやポッパーなど水面でハイアピールするルアーが扱いやすいです。これで反応がなければ、シャローランナーやディープダイバーなど、レンジを徐々に落として攻めていくイメージです。
一方で風波があると、トップには出にくくなります。水面系のルアーよりも、少しレンジが入るミノーに反応がよくなるので、トップウォーター系プラグは投げずにスタートすると釣果が早く出ました。
ルアーカラーと潮色について
ルアーカラーについては正直使い手の好みによる部分が大きいとは思いますが、潮色がクリアならクリアカラー、濁りが入っていればソリッドカラーが一つの目安です。
ただ、万能はクリアカラー。濁りが入っていてもクリアカラーにしか反応しないタイミングもありました。
また、必ず抑えておきたいのがチャートやグロー、ホワイトなどの膨張色。
Twitterで教えていただき使ってみたところ、爆発的な釣果を叩き出したことも。
強反射カラーという意で書きましたよ。
とは言っても、白最強とは思います。
— TAT@ULタックル (@tat_at_twit) 2019年10月14日
10年近く前からメッキ釣りの先人たちは気付かれていたようですが、なぜか膨張色にめちゃくちゃ反応することもあり、魔法のカラーの一つです。
横の釣りか?縦の釣りか?
横の釣りはトゥイッチやリトリーブで、縦の釣りはフォールで攻略する攻め方です。どちらが適しているかはシーズンや活性により変わります。
高活性なハイシーズンはトップやミノーによる横の釣り、低活性なシーズン終盤のメタルジグやシンペンによる縦の釣りが組み立てやすいです。
メッキ釣りに適したメタルジグ
メッキ釣りで活躍するメタルジグ。
センターバランス、フロントバランス、リアバランス、様々なタイプがあり活躍するシーンは様々ですが、アシストフックは必須です。
活性の高いメッキはベイトの頭部や腹部にアタックしてくることが多いので、アシストフックがあればうまくフッキングします。
表層をトゥイッチやスローフォールで攻めるにはフロントバランス、遠投が必要な場合はボトムに沈んだ群れを直撃するにはリアバランスが使いやすいです。
メッキの活性とフッキング位置の相関関係について
メッキの数釣りをして気付いたのは、活性によるフッキング位置の違い。
活性の高いメッキはフロントフックやアシストフックに、活性の低いメッキはリアフックにフッキング(もしくはスレ掛かり)することが多いです。
これはルアーローテの際に非常に参考になります。フロントフックに掛かっていれば何か(レンジ、ルアー形状、ルアーカラー、アクションなど)が合っておらず、より深いバイトを得られるルアーを探してローテすることができます。もちろん、リアフック丸呑みのような深いバイトもあるので一概には言えませんが・・・。
タックルはアジングロッドで十分
2019年秋シーズンにメッキ100匹以上釣ったロッドは、シマノのアジングロッドエントリーモデル「ソアレBBアジング610LS」。
廉価ながら感度の高いアジングロッドですが、プラグのトゥイッチアクションやメッキの激烈ファイトにも十分耐えられました。
なんならメッキの外道として掛かった60cmオーバーのスズキを不安なく寄せてきたことも。
メバリングロッドとしても優秀ですが、メッキゲームでも活躍するバーサタイルなロッドでした。
ストイックに通いつめて見えてくること
一つのターゲットをシーズンを通して追うことにより、見えてくることもありました。
シーズンによる活性変化について
一つのターゲットをストイックに追い続けてまず感じたのは、シーズンによる活性変化。
前日まではスピード感のある横の釣りで釣れてたけど、ポーズや食わせの間を与えないと釣れなくなってきたり、メッキに替わってシーバスがよく掛かるようになってきたり。
活性変化は季節の変化によるところが大きいですが、少しの雨で活性が上がったり、同じ条件下でも朝マヅメと夕マヅメとで爆発力が違ったり。
展開に再現性を求めることも大切ですが、刻々と変わる状況にアジャストさせていくことの重要性を強く感じました。
ルアーの使い方について
ペンシルポッパーやレイジーソリッド、D-CONTACTなど、使い手によって様々なアクションを魅せるルアーの面白さ、奥深さに気づくことができたのも収穫でした。
投げて巻くだけで釣れる初心者フレンドリーなルアーも価値がありますが、マニュアルギアのような操作感のあるルアーは奥が深く、状況に合わせたメソッドを生み出すのに向いている気がします。
青物やシーバスへも応用できそうなこと
ブレイクラインの探し方は大分慣れてきたので、シーバスゲームにも応用できそうです。
メッキ狙いまくる副産物としてシーバスの付き場がわかってきました。あらゆるカケアガリ(ブレイクライン)が好ポイントですが、とくに立ち位置から沖にのびるタイプが釣りやすいです。 pic.twitter.com/WAoqVULxnp
— スズキシゲハル@淡路島ライフ (@szksghl) 2019年10月21日
また、苦手意識を持っていたライトゲームにおけるメタルジグの使い方ですが、表層攻略とボトム攻めで使い方がガラリと変わったのでこれは青物狙いにも応用できそう。
メッキは美味しい説、時期により評価は異なるのでは
メッキの塩焼き、脂ノリノリでウマウマ😋メッキって名前が美味しそうじゃなくて損してるので、ヒラアジの塩焼きとかにしては?煮付けや一夜干しもイケると確信。今度やろう pic.twitter.com/u3NxCLRjfr
— スズキシ@鹿児島大隅半島 (@szksghl) 2019年10月24日
シーズン初期のメッキはイマイチ美味しくないようですが、10月中旬以降に良型が複数匹釣れたので持ち帰って塩焼きにしたところ、脂ノリノリで抜群でした。
ボウゼ(イボダイ)に近い淡白な白身の印象だったので、煮付けにしてもきっと美味しいと思います。
メッキ釣り初心者が2019年秋に100匹以上釣って感じたことまとめ
とりとめもなくつらつらと書き残してみましたが、時期、場所、ルアー、その他いろいろなことに対する意識が変わった気がします。
「シーズン中にメッキを100匹釣る」というのは思いつきで立てた目標ですが、達成に向け仮説を立て検証を繰り返していく過程はとても面白かったです。
以上、「メッキ釣り初心者が2019年秋に100匹以上釣って感じたこと」でした!